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ボーちゃん

その小学校は70周年をすでに迎え、古びた木造校舎ではあったが、少年の学ぶ教室の窓がモダンな洋風造りで、窓を開ける時は、”にぎりをひねって押す” のである。

全開で30度強だったろうか、下を覗くのに都合が良く、窓の下はスイミングプールだった。

当時、プールはまだめずらしく、町の公共公園にひとつあるくらいで、小学校にプールがあることは、羨望の的だったのだろう。

 

夏の暑い日は、開けた窓に反射するプールの水面のゆれる光、みんなのはしゃぐ楽しそうな声。

そのゆれる光を追いかけて、少年の空想旅行はまた始まった・・・

 

 

 

『コラッ、ボーッとして!』

 

やがて、先生のオミマイを頂戴して、少年の短くも深い空想旅行は終わったのだった。

あれは空想というよりは、妄想旅行だったのかもしれない。そういえばその少年は『ボーちゃん』と呼ばれていたっけ。

 

 

 

 

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